非友好国の外国人のロシア国内定期預金に関する2026年6月1日以降の新ルールの適用について、ロシア中銀が解説
B1 Tax & Legal Messengers
クライアントの皆様、お世話になります。ロシア中銀は、ロシア大統領令第95号が非友好国の外国の債権者(外国人個人、外国法人)が保有する銀行預金に対してどのように適用されるかについて、正式な解釈を公表しました。ご承知のとおり、2026年6月1日に大統領令第377号が署名され、2022年3月5日付大統領令第95号(「一部の外国債権者に対する債務履行の暫定手続について」)の適用対象を、銀行預金(定期預金)にも拡大しました。
主なポイント
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通常の銀行口座は対象外、定期預金のみが対象
ロシア中銀は、本規制は非友好国の外国人(日本人駐在員など)や外国法人(日本法人の駐在員事務所など)の債権者が保有する通常の決済口座(банковский счет)には適用されないことを明確にしました。つまり、大統領令第95号の対象となるのは、定期預金(банковские вклады (депозиты))のみです。
もっとも、利息が付く普通預金(накопительный счет)については、銀行預金の商品名ではなく、預金契約の法的性質によって判断されます。その契約内容によっては法的には「定期預金」と評価され、本規制の対象となる可能性があります。
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元本の返還・利息の支払いはいずれも規制対象
定期預金に係る債務の履行には、預金元本の返還、利息の支払いの双方が含まれます。つまり支払期限が到来した場合に、暫定手続は元本・利息のいずれにも適用されます。
また、ロシア中銀は、大統領令第95号に基づき、特別許可を取得せずに定期預金の資金を、外国債権者のC型口座以外の口座に移すこと、第三者名義口座に送金することが禁止されていることを明確にしました。
なお、定期預金の満期到来前に第三者による差押えや強制執行が可能かどうかについては、現時点でも明確な解釈は示されていません。
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定期預金を更新した場合の取扱い
ロシア中銀は、民法に基づき定期預金契約を更新することは可能であるとの見解を示しました。この場合、預金元本および満期時に元本へ組み入れられる利息はC型口座へ移されません。一方、預金契約上、利息は定期的に払い出すことになっている場合には、その利息はC型口座へ入金されます。
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満期までは暫定手続は適用されない
ロシア中銀は、外国債権者に対する暫定的な履行手続は、銀行が実際に預金元本および利息の支払義務を履行する段階になって初めて適用されるものであり、それ以前には適用されないことを強調しました。
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1,000万ルーブルの基準は外国債権者ごとに適用
ロシア中銀は、預金元本と利息の合計額が1,000万ルーブルを超えるかどうかの判定は、「外国債権者ごと・暦月ごと」に行うとの解釈を示しました。
従来、この1,000万ルーブルの限度額は、銀行のすべての外国債権者に対する支払総額で判定すべきとの保守的な見解もありましたが、今回の解釈により、より実務上柔軟な取扱いが正式に確認されたことになります。
留意点
本アラートでは、各トピックにおける概要を一般情報としてまとめたものです。 クライアントのロシア取引に際してのアドバイスではありませんので、本アラートの情報をもとに行われた取引については、B1では責任を負いません。各取引を行うにあたっては、専門家のアドバイスを別途受けてから行うことをお薦めします。 英文と露文アラートは、2026年7月21日時点に執筆しております。なお、今後の情勢次第で、上記内容の変更・更新が行われる可能性がありますので、最新情報を常に把握することが重要です。