2026年9月1日より「.RU」「.РФ」「.SU」ドメインの管理者は、GosUslugiでの本人確認が義務化
B1 Tax & Legal Messengers
2026年9月1日より、ドメイン名管理者は、公共サービスポータル「ゴスウスルギ (GosUslugi)」を通じた本人確認が義務化されます。
この変更は、2025年12月29日付連邦法第569-FZ号に基づき、ロシア国内のドメインである「.RU」「.РФ」「.SU」のドメイン名に適用されます。なお、本人確認の詳細な手続きについては、デジタル開発省が「ドメイン名登録規則」の草案(以下「規則」)を作成済みですが未だ採択されていません。
何が変わるのか?
2026年9月1日以降、ドメイン名の登録は、利用者(法人の場合にはドメイン管理者)がGosUslugiを通して、本人確認を完了した後でのみ可能となります。本人確認が行われない場合は、それだけで登録拒否の事由となります。
また、既に登録済みのドメインにとっても、この新たな要件は重要となります。特に規則案では、規則が採択される前に登録されたドメインであっても、登録更新や権利移転の際に本人確認が義務化されることが盛り込まれています。
本人確認がない場合の制限について
本人確認は、初期登録時のみに必要なものではありません。確認がなされない場合、ドメイン管理者は本規則で定められた以下のドメイン関連手続きを実行できなくなります。
- 新規ドメイン名の登録
- ドメイン名または管理者情報の変更
- ドメイン名登録の更新(本規則施行前に登録されたドメインについても、本人確認は必須です)
- 管理者の申請に基づくドメインの委任設定・変更
- 他者への管理権譲渡(現管理者および新管理者の双方に本人確認が求められます)
- 他レジストラへのドメイン情報サポートの移管
- 管理者の申請による登録の取消し
すなわち、本人確認は登録時の一時的な形式的要件ではなく、ドメインのライフサイクル全般にわたり、管理者が主要な権利を行使するための前提条件となるものです。
新要件の対象者について
この新要件は、ドメイン名管理者の法的地位を問わず、個人、個人事業主、ロシア法人、外国法人(その駐在員事務所および支店を含む)のすべてに適用されます。
特に注意が必要なのは、以下のような形態で登録されている法人のドメインです。
- 取引先、ITプロバイダー、またはウェブスタジオ名義で登録されているもの
- 従業員または元従業員名義で登録されているもの
- その他の個人名義で登録されているもの
形式的なドメイン管理者が本人確認を実施できない、または実施しようとしない場合、企業はドメインに対する管理権を喪失し、その結果、当該ドメインで運用しているウェブサイトのホスティングや利用ができなくなる恐れがあります。
外国のドメイン名管理者への適用について
外国のドメイン所有者についても、この新規則は適用されます。ただし、その実施の可否は、ロシアにおける当該外国人の身分ステータスに依存します。一時的滞在許可、居住許可、またはパテントを有する外国人の個人、ならびに認証を受けた支店または駐在員事務所を有する外国法人は、確認済みのGosUslugiのアカウントを有する場合、GosUslugi(公共サービスポータル)を通じて管理者の本人確認が可能です。これ以外の場合、外国人はGosUslugiに登録することができません。そのため、2026年9月1日以降は、ドメインの更新やその他の重要な手続きを実行できなくなります。
すなわち、既に登録済みのドメインは有効期間の終了まで引き続き有効ですが、更新、権利譲渡、登録変更、および委任設定の変更は利用できなくなります。登録期間および更新猶予期間が経過した後、当該ドメインは解放(一般公開)されます。
企業にとって、これらの変更は運営上および法務上、極めて重要な意味を持ちます。ドメイン名がウェブサイト、企業メール、顧客サービス、個人アカウント、決済インフラ、その他のデジタルリソースに使用されている場合、適時にドメインの更新やパラメータ変更ができなくなることは、関連サービスの運用に支障をきたす可能性があります。
ドメイン譲渡に際して考慮すべき重要事項
仮にドメインが不適切な者の名義で登録されている場合、当該ドメインは別の管理者へ譲渡することが可能です。
ただし、2026年9月1日以降は、譲渡に関与する両当事者、すなわち現管理者および譲受人の双方について本人確認が必須となります。登録、本規則に定められた条件が満たされた後、3営業日以内に当該申請を処理しなければなりません。
今後の対応についての推奨
.RU、.РФ、.SUドメインを利用している企業には、以下を推奨いたします。
- 使用中のドメイン名の実態調査(登録条件や管理者ステータスの有無を含む)を実施すること
- GosUslugi(公共サービスポータル)におけるアカウントの状況を確認し、未登録の場合は登録すること
- ドメイン名の登録更新を確実に行うこと
- 当該ドメインが企業の管理範囲から外れるリスクがある場合(例:ドメイン管理者が社員や社外の取引先である場合など)には、ドメイン名の譲渡手続きを正式に完了させること
- 外国籍の管理者に該当する場合は、2026年9月1日までに、GosUslugiで確認済みアカウントを有する者へ管理権を譲渡する(「信頼管理」に関する特約契約の締結を含む)、または本法律の適用を受けない他ゾーンのドメイン利用を検討すること
また、GosUslugiを通じた本人確認が必要となる手続きの内容や、その具体的な手順について、事前に登録を確認されることを併せてお勧めいたします。本規則の詳細や運用実務は今後も補足・明確化される可能性があります。
より詳細は露文ニュース・英文ニュースをご参照ください。また本件の適用に関するご質問や実務対応については、お気軽にお問い合わせください。
留意点
本アラートでは、各トピックにおける概要を一般情報としてまとめたものです。 クライアントのロシア取引に際してのアドバイスではありませんので、本アラートの情報をもとに行われた取引については、B1では責任を負いません。各取引を行うにあたっては、専門家のアドバイスを別途受けてから行うことをお薦めします。 英文と露文アラートは、2026年8月27日時点に執筆しております。なお、今後の情勢次第で、上記内容の変更・更新が行われる可能性がありますので、最新情報を常に把握することが重要です。