ロシアの移転価格税制の対象取引が
2026年度から拡大
B1 Tax & Legal Messengers
2026年1月より、移転価格税制の対象となる取引基準に、取引相手の居住国の「法人税率が15%以下」が追加され、そのような居住国の取引相手が関連者かどうかにかかわらず、年間取引額が1億2千万ルーブルを超える場合には、ロシアの移転価格税制の対象取引に該当します。その結果、ウズベキスタン、トルクメニスタン、ジョージア、セルビアなど多くの国が実質的に対象範囲に含まれることになりましたが、対象国の公式リストは作成されず、税率の判断や必要な書類の準備は納税者自身が行う必要があります。
ロシアの移転価格税制の対象取引が2026年度から拡大
移転価格税制の対象取引を規定した税法第105.14条に基づき、関連者かどうかに関わらず、取引相手が「法人税率15%以下の国」の居住者であり、そのような取引が暦年で1億2千万ルーブルを超える取引についても、移転価格税制の対象取引に該当します。この2026年1月から導入された「15%以下の基準」について、財務省は、2026年1月28日付書簡(03-00-08/5827号)で見解を発表しました。
例えば、アラブ首長国連邦(UAE)がオフショア地域のリストから除外されましたが(2023年6月5日付財務省令第86n号に基づき2025年末に改正)、この「15%以下の基準」の規定により、引き続き移転価格税制の対象取引とみなされます。
さらに、居住者が移転価格税制の対象となる基準に該当する国の範囲は、実質的に拡大しました。これらの国には、とりわけ以下の国々が含まれます。
- アルバニア – 税率15%
- ジョージア – 15%*
- インド – 15~35%
- イラク – 15%*
- クウェート – 15%
- オマーン – 15%
- パレスチナ – 15%*
- パラグアイ – 10%
- カタール – 10%*
- セルビア – 15%
- アラブ首長国連邦(UAE) – 9%
- ウズベキスタン – 15%
- キルギス – 10%
- トルクメニスタン – 8%*
(* 特定の業種には特別な税率が適用)
同時に、本書簡で財務省は、外国の税法は変動することを考慮し、この基準に該当する国の公式リストを作成する予定はないことを示しました。
留意すべき点として、ロシア税法には、「設定された」法人税率を決定する根拠となる情報源に関する規定はなく、基本税率と優遇税率が同時に適用される場合のそれらの適用についても区別していません。この点に関連して、新しいルールの文脈において、税率をどのように正確に決定すべきかという疑問が生じます。
本書簡によれば、「15%基準への準拠の評価は、特定の事実と状況を考慮し、納税者自身が実施する必要があること。所定の手続きに従って採択・公布され、該当する税務期間に有効であり、公式な情報源の明示、およびロシア語への翻訳を伴う外国の規範的法律行為が、税率を確認する証拠となりえること。」 とコメントされています。
したがって、個々のケースにおいて取引が移転価格税制の対象となるかどうかを判断するためには、納税者が関係国および取引相手が取引において適用する税制、名目税率および実効税率を分析するための診断を実施し、関連する結論と裏付け書類を整える必要があります。
取引の実際の状況を分析するための財務省からの追加コメントは、間もなく公表される予定です。同時に、特に現在、正式なリストが存在せず、基本税率と優遇税率の扱いに関する公式な説明がない状況では、クロス・ボーダー取引の内部分析と、取引の分類において選択したアプローチに対する文書による裏付けの重要性が高まっています。
B1の移転価格専門家は、この新しい基準の適用可能性の分析、クロス・ボーダー取引の状況の評価、必要な移転価格報告書の作成をお手伝いできます。
より詳しくは、露文のニュースをご参照ください。
B1ジャパンデスクの日本語のウェブサイト: https://b1.ru/en/japan-desk-jp/
留意点
本アラートでは、各トピックにおける概要を一般情報としてまとめたものです。 クライアントのロシア取引に際してのアドバイスではありませんので、本アラートの情報をもとに行われた取引については、B1では責任を負いません。各取引を行うにあたっては、専門家のアドバイスを別途受けてから行うことをお薦めします。 英文と露文アラートは、2026年2月18日時点に執筆しております。なお、今後の情勢次第で、上記内容の変更・更新が行われる可能性がありますので、最新情報を常に把握することが重要です。